TikTokとInstagramのリールは、どちらも短い縦型の動画です。
見た目がよく似ているため、同じものに思えるかもしれません。
どちらを始めるべきか、迷う声もよく聞きます。
見た目は近くても、二つには表から見えにくい違いがあります。
その違いを知ると、自社に合う方を選びやすくなります。
どちらが優れているという話ではなく、性格が違うだけです。
見た目の裏にある差を、順番に見ていきます。
見た目は同じでも、届く相手が違う
大きく違うのは、動画が誰に届くかです。
TikTokは、フォロワーがいない段階でも知らない人に広がりやすい仕組みです。
画面を開くと、フォローしていない人の動画が次々に流れてきます。
このおすすめは、見た人の興味に合わせて、次に流す動画を自動で選ぶ働きをします。
だから始めたばかりのアカウントでも、内容が良ければ遠くまで届いていく。
一方リールは、Instagramという大きな仕組みの中の一つの機能です。
リールとは、Instagramの中で見られる短い動画のことです。
そこには、フォロワーへの投稿やストーリーズも一緒に並びます。
リールも知らない人に届きますが、TikTokほど一気には広がりにくいです。
すでにInstagramを見ている人の中で、見つけてもらう形が中心になります。
まだ知られていない会社が早く見つけてもらうには、TikTokの届き方が向いています。
使っている人の層に、開きがある
二つは、使っている人の年齢層にも差があります。
TikTokは若い世代に強く、十代や二十代がよく見ています。
Instagramはもう少し幅広く、三十代や四十代も多く使っています。
もちろん、どちらも年齢は混ざっています。
中心となる層が違うことは、見落とせない。
自社の届けたい相手が若い世代なら、TikTokが近いです。
落ち着いた層に届けたいなら、Instagramが合いやすいです。
自社の商品を買ってくれそうな人が、ふだんどちらを開いているかが手がかりです。
届けたい相手の顔を思い浮かべて選ぶと、場所選びで大きく外しません。
好まれる動画の空気感が違う
同じ短い動画でも、好まれる雰囲気が違います。
TikTokでは、飾らない素のままの動画が受け入れられやすいです。
流行の音楽や決まった動きに乗る楽しさが、文化として根づいています。
作り込みより、勢いや親しみが好まれる場です。
スマホで撮ったままの飾らない動画でも、十分に通用します。
Instagramのリールは、きれいに整った見た目が好まれる傾向があります。
おしゃれな写真や世界観を大切にする人が多いためです。
色合いや構図にこだわった動画が、なじみやすい場と言えます。
どちらが良いという話ではない。
無理に背伸びせず、その場の空気に合わせると、見ている人になじみやすくなります。
肩肘張った動画は、かえって浮いて見えてしまいます。
広がり方の仕組みが違う
動画が広がる道筋にも、違いがあります。
TikTokは、おすすめ経由で広がるのが基本です。
このおすすめは、新しい動画も古い動画も分け隔てなく拾います。
何ヶ月も前の動画が、急に伸び始めることも珍しくない。
一本ごとに、広がるかどうかがその都度決まっていきます。
だから過去の実績が少なくても、次の一本で巻き返せます。
一方でリールは、Instagram全体のつながりの中で広がります。
フォロワーや、その人と趣味の近い人へ届きやすい流れです。
ふだんの投稿とゆるくつながりながら、少しずつ広がっていきます。
地道に投稿を重ねるほど、土台ができて広がりやすくなります。
過去の積み重ねが、次の広がりを後押しする。
どちらを選ぶかは、目的と相手で決まる
自社はどちらを選べばいいのでしょうか。
答えは、何をしたいかと、誰に届けたいかで変わります。
まだ知られていない段階で、一気に広めたいならTikTokが向きます。
すでにInstagramを使っていて、そこを伸ばしたいならリールが自然です。
若い世代が相手ならTikTok、幅広い層ならInstagramと、相手の年齢から考える手もあります。
手が回らないなら、無理に両方を追う必要はない。
中途半端に二つ抱えるより、一つに絞って続ける方が、結果につながることもあります。
周りが始めたからという理由だけで、飛びつく必要はありません。
大切なのは、流行ではなく自社の目的で選ぶことです。
一本の動画を、両方に活かす手もある
テーマによっては、どちらか一つに決めきれないこともあります。
その場合は、一本の動画を両方に出す方法もあります。
ゼロから二本作るより、手間を抑えながら両方の反応を見られます。
そのまま使い回すと、浮いて見えることがあります。
TikTokのロゴが入った動画をそのままリールに出すと、嫌われやすいです。
投稿する前にそのアプリの中で動画を仕上げ直すと、その場の空気になじみます。
同じ素材でも、つける音楽や最初の見せ方を少し変えるだけで、受ける印象は変わります。
まず両方を試し、反応の良い方に力を入れていく。
いきなり完璧を目指さず、続けながら自社に合うやり方を探っていきます。

