「SNSなんて、若い子なら誰でもできるでしょ」
そう思って、入社2年目の社員にInstagramを任せた。
最初の1ヶ月は張り切って投稿していたけれど、3ヶ月後には更新が止まり、半年後には完全に放置状態になっていた。
こういう話は珍しくありません。
SNSを誰かに任せることは正しい判断です。
でも「任せる」前に準備すべきことをやっていないと、高い確率でこのパターンにはまります。
何を準備すればよかったのか、失敗した会社に共通していることをお伝えします。
「SNSが使える」と「SNSで成果を出せる」は別のスキルです
SNSを任せる相手を選ぶとき、多くの経営者が「普段からSNSをよく使っている人」を選びます。
個人のInstagramのフォロワーが多い、TikTokをよく見ている、スマホの操作に慣れている。
こういった理由で選ばれた社員が、会社のSNS運用を担当することになります。
でもここに大きな落とし穴があります。
個人でSNSを楽しむことと、ビジネスの目的に向けてSNSを運用することは、まったく別のスキルです。
個人アカウントでは好きなことを好きなタイミングで発信すればいい。
でも会社のアカウントには目的があり、ターゲットがあり、成果の測り方があります。
「SNSが得意な人」を選んだつもりが、「ビジネスとしてSNSを運用できる人」ではなかった。
これが失敗の最初の原因です。
目的もKPIも伝えずに「よろしく」では動けない
SNS運用を任せるとき、多くの会社がやっていないことがあります。
目的とKPIを明確に伝えることです。
「Instagramよろしく」と言われた担当者は、何を目指して運用すればいいかわかりません。
フォロワーを増やせばいいのか、問い合わせにつなげればいいのか、採用に活かすのか。
目的が不明なまま投稿を続けると、何となく日常の写真を上げるだけの運用になります。
成果が出ないまま時間が過ぎて、担当者も「何のためにやっているのかわからない」という状態になる。
モチベーションが下がって、更新が止まる。
このパターンの根本原因は、最初に目的を伝えなかったことです。
任せる前に
「何のためにSNSをやるのか」
「どんな数字を目標にするのか」
を言語化して、担当者と共有することが最初にやるべき準備です。
「方向性」を決めずに任せると、投稿がバラバラになる
目的を伝えても、発信する内容の方向性を決めていないと、投稿の一貫性がなくなります。
今日は商品紹介、明日はスタッフの日常、明後日は全然関係ないネタ。
こういった投稿が続くと、フォロワーは「このアカウントが何を発信しているのかわからない」と感じます。
フォローする理由が生まれません。
方向性とは、誰に向けて、どんなテーマで、どんなトーンで発信するかです。
これをあらかじめ決めておくことで、担当者は迷わず投稿を作れます。
ネタ切れも起きにくくなります。
ガイドラインと呼ばれることもありますが、難しく考える必要はありません。
「こういう人に向けて」
「こういうことを発信する」
「こういうトーンで」
という3点を1枚の紙にまとめるだけで、担当者の動きは大きく変わります。
担当者を「孤独」にしていませんか?
SNS運用を任せた後、担当者と一切コミュニケーションを取らない経営者は多いです。
任せたのだから口を出さない、という考えからです。
でもこれが担当者を孤独にして、モチベーションを下げる原因になることがあります。
SNS運用は成果が見えにくい仕事です。
投稿を続けても反応が薄い日が続くと、「これは意味があるのだろうか」という疑問が生まれます。
その疑問を相談できる相手がいないと、担当者は徐々に力を失っていきます。
任せることと放置することは違います。
週に一度でも「最近どう?」と声をかける、月次で数字を一緒に確認する、いい投稿があったら「よかったよ」と伝える。
こういった小さな関与が、担当者のモチベーションを維持します。
SNS運用を任せた後も、経営者や上司が関心を持ち続けることが、長期的な運用を支える土台になります。
任せる前にやるべき3つの準備
SNS運用を社員に任せる前に、必ずやっておくべき準備が3つあります。
1つ目は目的とKPIの言語化です。
何のためにSNSをやるのか、どんな数字を目標にするのかを明確にして、担当者と共有してください。
2つ目は発信方向性のガイドライン作成です。
誰に向けて、何を、どんなトーンで発信するかを1枚にまとめます。
投稿のNGルールも合わせて決めておくと、担当者が迷う場面が減ります。
3つ目は定期的な振り返りの仕組みづくりです。
月に一度、担当者と数字を確認して、次の方針を話し合う時間を作ってください。
この場があることで、担当者は孤独にならず、問題が起きたときに早期に対処できます。
この3つを準備してから任せることで、「誰でもできる」と思って任せた結果の後悔を防ぐことができます。
SNS運用を成功させるために必要なのは、優秀な担当者より、任せる側の準備です。

