「経営者自身がSNSに出たほうがいいですか?」
SNS運用の相談を受けるとき、この質問はよく出てきます。
顔を出すことへの抵抗感、プライベートが見られることへの不安、そもそも何を発信すればいいかわからない。
こういった理由で踏み出せない経営者は多いです。
答えを先に言います。出られるなら、出たほうがいいです。
ただし、出方を間違えると逆効果になります。
経営者が顔を出すと何が変わるのか
経営者自身がSNSに登場することで、会社のアカウントに人間味が生まれます。
どんなに丁寧に作られた投稿でも、顔が見えない会社アカウントは「法人」として認識されます。
でも経営者の顔と言葉が見えた瞬間、見ている人の受け取り方が変わります。
「この人が作っている会社なんだ。」という感覚が生まれ、親近感と信頼が一気に近づきます。
特に中小企業にとって、経営者の人となりは強力な差別化要素になります。
大手企業には経営者の顔を前面に出した発信は難しいです。
それができるのは中小企業の特権です。
経営者が出ないことで失っているもの
経営者がSNSに出ないことで、気づかないうちに失っているものがあります。
信頼の積み上げる機会です。
会社のアカウントで商品やサービスの情報を発信することはできます。
でも
「なぜこの事業をやっているのか」
「どんな思いで会社を作ったのか」
「どんな未来を目指しているのか」
こういった話は、経営者本人にしか語れません。
この種の発信が積み重なることで、フォロワーの中に「この会社のことを応援したい」という感情が生まれます。
商品やサービスへの共感より、人への共感のほうが購買や継続につながりやすいです。
経営者が出ないアカウントは、この層を取りこぼし続けています。
出方を間違えると逆効果になる理由
経営者がSNSに出ることを勧めましたが、出方を間違えると逆効果になることがあります。
よくある失敗は、自慢話と日常報告だけになることです。
高級レストランでの食事、ゴルフの写真、出張先の景色。
こういった投稿が続くと、フォロワーは「自慢している人」として認識します。
親近感ではなく距離感が生まれます。
もう一つの失敗は、発信に一貫性がないことです。
今日はビジネスの話、明日は趣味の話、明後日は政治への意見。
テーマがバラバラだと、フォロワーはそのアカウントをフォローし続ける理由を見失います。
経営者がSNSに出る場合は、何のために出るのかという目的と、誰に向けて発信するのかという軸を最初に決めてから始めることが重要です。
経営者SNSが向いている人と向いていない人
経営者がSNSに出ることが効果的なのは、自社のビジョンや思いを言語化できる人です。
なぜこの事業をやっているのか、何を大切にしているのか、どんな未来を作りたいのか。
これを自分の言葉で話せる経営者のSNSは、見ている人の心を動かします。
一方で向いていないのは、発信すること自体が強いストレスになる人です。
無理に続けても、投稿の内容に気持ちが入らなくなります。
フォロワーはその温度感を感じ取ります。
嫌々やっている発信は、やらないほうがマシなことがあります。
経営者自身がSNSに出ることが難しい場合は、スタッフの顔を出す方法もあります。
経営者でなくても、人の顔が見えること自体が信頼を生みます。
誰かが顔を出せる体制を作ることが、中小企業のSNSにおける大きな強みになります。
まず一投稿だけ、経営者の言葉で発信してみてください
経営者がSNSに出ることを決めたなら、まず一投稿だけ試してみてください。
完璧な内容でなくていいです。
なぜこの事業を始めたのか、どんなお客様に喜んでほしいのか、最近どんなことを考えているのか。
経営者にしか語れない言葉を、そのまま書いてみてください。
一投稿の反応を見てみてください。
会社のアカウントで同じテーマを投稿したときと、反応が違うはずです。
その違いが、経営者がSNSに出ることの価値を実感させてくれます。
出るべきかどうか迷っているなら、まず一投稿だけ試すことが、その答えを出す最も確実な方法です。

