「いいね」と「買う」の間には、思っているより大きな壁がある

投稿に「いいね」がつくたびに、少し期待してしまう。
もしかしたら問い合わせが来るかもしれない、と。
でも何も起きない。

SNS運用をしている会社の担当者から、こういう話をよく聞きます。
「いいね」は増えているのに、売上は変わらない。
それどころか、「いいね」が増えれば増えるほど「これって意味あるのかな」という疑問が大きくなっていく。

実はこれ、SNSの仕組みを理解すれば当然の結果です。
「いいね」と購買の間には、多くの人が思っているより大きな壁があります。
その壁の正体を知ることが、SNSを成果につなげるための第一歩です。

目次

「いいね」は共感であって、購買意欲ではない

「いいね」という行動の意味を改めて考えてみてください。

投稿を見た人がいいねを押すとき、その人の頭の中にあるのは「いい投稿だな」「共感する」「保存しておこう」といった感情です。
その会社の商品を買いたい、サービスを依頼したい、という気持ちとは別の話です。

たとえばおしゃれなカフェの写真に「いいね」を押したとき、そのカフェに行きたいと思っているかというと、必ずしもそうではありません。
ただきれいだと思っただけかもしれません。
その違いは、投稿を見た人の頭の中にしかわかりません。

「いいね」は「この投稿が好き」という意思表示です。
「この会社から買いたい」という意思表示ではありません。
この違いを理解せずにいいねの数を成果として追いかけていると、いつまでたっても売上につながらない運用が続きます。

「いいね」から「買う」までに人が通る道

人が何かを購買するまでには、いくつかのステップを経ることが一般的です。

まず認知します。この会社・商品・サービスの存在を知る段階です。
SNSの投稿にいいねをするのは、多くの場合この段階です。

次に興味を持ちます。
もっと知りたい、どんな会社なのか気になる、という感情が生まれる段階です。
プロフィールを見に来る、過去の投稿を遡って見る、リンクをタップしてサイトを見る。
こういった行動がここに当たります。

その次に比較・検討します。他の選択肢と比べながら、本当にここでいいのかを判断する段階です。
口コミを調べる、料金を確認する、問い合わせをするといった行動がここです。

そして最終的に購買・行動に至ります。

「いいね」をしてくれた人は「認知」の段階にいます。
そこから購買までには、まだいくつものステップがあります。
その道のりを意識せずに「いいねが増えたから成果が出ている」と判断するのは、大きな誤解です。

壁を越えるために必要な「次のアクション」の設計

「いいね」から購買への壁を越えるために必要なのは、次のアクションへの導線を設計することです。

「いいね」をしてくれた人が「もっと知りたい」と思ったとき、何をすればいいかがわかる状態になっているかどうか。
これが壁を越えられるかどうかを決めます。

具体的に確認すべきポイントは3つです。

まず投稿の最後に次のアクションを促す一言があるかどうかです。
「詳しくはプロフィールのリンクから」
「気になった方はコメントしてください」
といった言葉が、見た人を次のステップに誘導します。

次にプロフィールが機能しているかどうかです。
投稿に興味を持ってプロフィールに来た人が、次に何をすればいいかわかる状態になっているか。
リンク先は目的に合ったページになっているか。

最後にリンク先のページが購買・問い合わせにつながる内容になっているかどうかです。
SNSからサイトに来た人が、そのまま離脱せずに問い合わせや購買に至れる設計になっているかを確認してください。

この3点が整って初めて、「いいね」から購買への道が開けます。

「保存」は「いいね」より購買に近いサインです

「いいね」と購買の間に大きな壁があるとお伝えしましたが、すべてのエンゲージメントが同じ距離にあるわけではありません。

「保存」は、「いいね」より購買にずっと近いサインです。

投稿を保存するとき、人は「後でまた見たい」「いつか使いたい」「忘れたくない」と思っています。
これは「いいね」のように瞬間的な共感ではなく、継続的な興味の表れです。保存した投稿は後日また見返されます。
そのタイミングで購買や問い合わせにつながることが多いです。

Instagramのインサイトで保存数を確認したことがありますか。
「いいね」が多い投稿と保存が多い投稿は必ずしも一致しません。
売上につなげたいなら、「いいね」を増やすより保存を増やすことを意識した投稿を作るほうが近道です。

保存される投稿には共通点があります。
「後で見返したくなる情報量がある」
「すぐには使えないけどいつか役立ちそうな内容がある」
「具体的なノウハウや手順が書かれている」

こういった「ストック型」のコンテンツが保存を生みます。

「いいね」を追いかけるのをやめると、成果が出始める

SNS運用の目標をいいねの数からやめて、プロフィールへのアクセス数や保存数、リンクのクリック数に変えてみてください。

見るべき数字が変わると、作る投稿が変わります。
投稿が変わると、届く相手が変わります。届く相手が変わると、問い合わせや購買につながる確率が上がります。

「いいね」を追いかけていた頃より投稿のリーチが下がることがあります。
でも成果につながる数字は上がります。
これは多くの人が経験していることです。

SNSで成果を出すということは、多くの人にバズることではありません。
購買や問い合わせにつながる人に、正しく届けることです。
その視点を持ったとき、「いいね」と「買う」の間にある壁は、少しずつ低くなっていきます。

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